
SIMフリー スマホは、Lollipop(Android 5.x)が主流になってきました。Nexusシリーズでは、Android 6(Marshmallow)が提供されており、徐々にMarshmallowに移行すると思いますが、現状、SIMフリー スマホの主流はロリポップです。
そんな状況ですが、多くのLollipop端末で、ネットワーク周りの不都合が起きています...。モバイル通信に繋がるのにかなり時間がかかったり、通信が不安定(アンテナピクトが立たない時があったり)になったりとの報告が非常に多く、私も確認しています。
ここで、モバイル通信が不安定な時の対処方法を記載しておきたいと思います。
どんな時に発生する?
まずは、どんな時にLTEや3Gなどのモバイル通信が繋がらなったり(繋がるまでかなり時間が掛かったり)、通信が不安定になったりするのかをリストアップしてみました。
- 初めてSIMを挿入してAPNを設定した時
- 機内モードをON状態からOFFにした時
- Wi-FiをON状態からOFFにした時
どれもモバイル通信を使用していない状態から、モバイル通信に切り替えた時の出来事となっています。そして厄介なことに、端末によって(APNのリストや設定によって)は、不具合が発生しなかったりします。また、発生する条件が一定ではありません。
どの端末で発生するのか?
ある程度、検証してみて、傾向が分かってきたので記載しておきます。
まずチップセットがSnapdragonシリーズでは起こる可能性が高く、更にAPNが複数登録されていると高確率で起こります。
チップセットがMediaTekやintel、HiSiliconのKirinシリーズのスマホの場合、不都合はありませんでした。
原因はなに?
原因はハッキリとは分かっていませんが、よく言われているのが「APNサーチの問題」です。
「APNサーチ」とは、端末の初期設定時にAPNの設定をするとネットワークに接続トライするのですが、端末にプリセットされているAPNリストに対して、上から順番に接続をトライしていく方式のようです(ZTEジャパンの方に教えて頂いたのですが、1つのAPNに対してAndroidのデフォルトのトライ時間は約25秒だそうです)。
APNサーチは、APNの設定時だけでなく、機内モード解除やWi-Fi解除でも発生するようになっています。
問題なのは、上からAPNを確認していくので、APNリストの下の方にあるAPNを使った場合、接続確認までに時間が掛かってしまいます。これが原因で、APN設定時や機内モードOFFにした時、Wi-FiをOFFにした時などに、非常に時間が掛かってしまうケースがあるようです。
また、APNの設定で「APNプロトコル」を「IPv4/IPv6」に設定してると、不安定になったり繋がらない症状があるようです。
解決策は?
解決策はいくつかありますが、確実とは言い切れません。どれかで上手く行けば吉としましょう。
- APNで「APNプロトコル」の項目を「IPv4」にする
- APNリストを全て削除し、対応SIMのAPNだけにする
- APNで「MVNOの種類」を「SPN」にする
モバイル通信が不安定だったり、なかなか繋がらない人は、上から順番に確認していってみてください。
APNで「APNプロトコル」の項目を「IPv4」にする
[設定] → [モバイルネットワーク] → [アクセスポイント名] → [モバイルネットワーク] で対象のAPNを選択し編集画面にします。

「APNプロトコル」の項目が「IPv4/IPv6」または「IPv6」になっている場合「IPv4」に変更して保存してください。
大抵の場合、元々は「IPv4」になっていると思います。もし「IPv6」になっていたら変更しましょう。
APNリストを全て削除し、使うSIMのAPNだけにする
前述したように、APNの接続は上から順番に行うため、下の方にあるAPNの選択している場合は必然的に時間が掛かることに対処するためです。APNを全て消去し、使用するMVNOのAPNだけを記載することで、すぐに接続ができるようになる場合があります。
現在多く発売されている格安スマホ(SIMフリー端末)は、APNがプリセットされており、これを使用するもの以外は全て削除することになります。

ここで厄介なことに、プリセットAPNが削除できない端末も存在します。

gooのスマホg02 /g03はプリセットAPNが消去できません(※アップデートで消去することができるようになりました)。
もし消去することができない端末の場合、APNプリセットを一番上に持ってきてあげるのも一つの手です。例えば、プリセット名の先頭を “0” や “a” の文字を入れると一番上に設定される端末もあります。(端末によってはならない可能性もあります)。
APNで「MVNOの種類」を「SPN」にする
最後の方法が、APNの編集画面で「MVNOの種類」を「SPN」に変更することです。
[設定] → [モバイルネットワーク] → [アクセスポイント名] → [モバイルネットワーク] で対象のAPNを選択し、編集画面にします。

「MVNOの種類」の項目を「SPN」に変更して保存してください。
この「SPN」は「Service Provider Name」の略語です。
プロバイダー名からAPNを判断するということになります。
今回は関係ないのですが、「IMSI」は「MCC(Mobile Country Code)」と「MNC(Mobile Network Code)」で判断という意味です。
MCCは運用地域を示しており、日本は440です。MNCは事業者を示し、ドコモ(ドコモ系MVNO)なら10となります。
IMSIを選択しても、どのMVNOを使用するかは分からないため、これを選択しても意味がないと思われます。
GILは、分かりません...(Group Identifier Level 1の略みたいです)
特に意味を覚える必要はないので、「SPNに設定」ということだけ覚えておきましょう。
設定してあげると、大抵の場合、繋がりやすくなることを確認しています。(ただ、必ずではありません...。)
まとめ
APNを設定しても、すぐに繋がらない時や不安定な場合は、解決案を試してみましょう。(ただ、それでも直らない場合もあるので、その時はご了承ください。)
とにかくLollipopになってから、ネットワーク周りの不具合は多くの端末で発生しており、ユーザーは端末が故障していると思ってしまう人も多いようです。どうもsnapdragonのチップセットがよくないようですが、各端末メーカーは、プリセットAPNの設定を再度見直すなどの対策をしてくれると有難いですね。(それにしてもNexusシリーズでもこの問題が発生するので、各端末メーカーは手の打ちようが無さそうですね...)
とにかく繋がらない場合は、一度APNを削除したり、設定を見直してみてください!