Polaroidから発売されているSIMフリー端末「Pigu(ピグ)」。全体的に満足度が高いのですが、1点だけ大きくマイナス要素があります。 それは「液晶画面」です。
解像度は480×320(HVGA)と低解像度のTNパネルです。TNパネルの特徴は、視野角が狭いこと。普段IPSに慣れ親しんでいるユーザーがpiguを使うと、かなり時代遅れの液晶と感じるでしょう。
ただ「480×320(HVGA)」「TNパネル」の情報は、ポラロイド(クロスリンクマーケティング株式会社)より発売前からスペック情報としてアナウンスされていました。なので、購入前に視野角が狭い事は把握できる状況でした。多くの方は分かった上で購入していると思いますが、それでも液晶が悪いと感じた人は多いのではないでしょうか。
ここからが本題です。
TNパネルは視野角が悪いことは分かっていても、競合端末と考えられる「geanee FXC-35」と比較すると、piguは「液晶が見にくい!」という印象を受けました。
その要因はいくつかあるのですが、一番大きな要因は「視野角がFXC-35よりも狭いこと」が上げられます。TNパネルなので視野角が狭いことは承知ですが、FXC-35よりも更に狭くなっています。TNパネルでも「品質が違う」ってことです。
そして、液晶が「ギラギラ」していると感じ(視野角が狭いことでギラギラ感じるのかも…)、「青み」寄りの液晶ということが要因だと思います。
では、一番大きな要因となる「視野角」を中心に、検証してみましょう!
視野角を検証!
今回は、写真を使って検証結果を記載していますが、写真で見るのと実際に目で見た感じが異なる点、ご了承ください。また、明度は出来る限り揃えていますが目視での設定となります。液晶の色味も両者で違う(写真に撮ると更に色味が違って出る)ため、若干の誤差が生じる点をご了承ください。
今回は、色の変化が分かりやすいように、カラフルな画像を使ってみました。すべての写真をクリックで拡大できます。
まずは、正面(液晶画面に対して垂直)から撮影した画像はこちら ↓
左からgeanee FXC-35、Polaroid pigu
どちらも液晶画面に対して垂直(プラスマイナス5度)ぐらいの角度だと、画面が綺麗に見えます。これを基準として見ていきましょう!
上下の視野角を確認!
端末を縦にした状態で、上下の視野角を確認してみましょう。
まずは、下側に角度を徐々につけてみました ↓
この時点で、若干piguの方が色味が薄くなった印象です。
完全に差がでました。piguの方が色が変に…
下側に角度を付けた場合、piguとFXC-35で違いが出ましたね。これが視野角の差となります。
次に上側に徐々に角度を付けてみました。
画像を見やすいように反転しているので、端末の位置が逆になっています ↓
少し角度をつけただけですが、piguの方はすでに色味がおかしい状態になっています。
FXC-35も色味がおかしくなってきました。piguはご覧のとおり、ネガ(写真のフィルム)のような感じですね…
上側からの結果も分かりやすく差がでました。piguの方が視野角が狭いことが分かりましたね。
横からの視野角を確認!
では、今度は左右(横)を確認してみましょう!
左右に関しては、両端末とも若干見えにくくなりますが、両者で差はほとんどない結果でした。視野角の狭さは一緒と考えて問題ないでしょう。
視野角まとめ
piguは、FXC-35よりも視野角が狭い結果となりました。特に上側に角度を付けるた場合、すぐに色味が変化してしまいましたね。左右については差は感じません。
TNパネルと聞いたら、FXC-35のようなものを想像する人が殆どではないでしょうか。piguのようなかなり視野角が狭いパネルは、今時は珍しい気がします。ただ、freetelから発売されているprioriと全く同じ視野角です。prioriユーザーから見えれば、全く問題なく使えるでしょう。
ギラツキ感や色味について
piguの液晶の色味は青色寄りとなります。これに関しては、見にくいと感じるならば、フィルターアプリ(色味を変更できるアプリ)などで調整してあげましょう。
piguで視野角に加え、もう一つ気になるのは液晶の「ギラツキ感」です。少しでも角度が変わるとギラギラした感じが目に付きます。
piguは明度(輝度)を最大に設定すると、かなり明るい液晶の端末です。これもギラツキを感じる要因の一つだと思います。 対策としては、明度を調整して、少し抑え目にしてあげるとギラツキ感は多少抑えられます。
また、アンチグレアのフィルムを貼ると少しは抑えることができそうな気もしています。気になっている人は一度試してみても良いかもしれませんね。
アンチグレアフィルムは購入しているので、届き次第、記載したいと思います。
【追記】
購入したフィルムは「Perfect Shield 反射低減」のアンチグレアフィルムです。
貼り付けてみましたが、ギラツキ感を抑える効果はあんまりないかも…。
(少しは効果があると思いますが)見やすさはほとんど変わらないと感じました。
まとめ
低価格帯・3.5インチのローエンド端末の中で、piguは視野角が狭くギラギラ感を感じる液晶でした。
わたしの使用感や感想を少し述べておきます。
piguの色味が変わらないように、なるべく垂直になるように端末を持っていますが、手に持っていると一定の角度で固定するのは難しく、少しでも角度が付く(手が揺れる)と色味・コストラストが変わってしまいます。これに加えて、ギラギラ感が強いので、かなり目が疲れてしまう印象でした。
freetelから発売されているprioriも同じ視野角なのですが、prioriはギラギラ感があまりありません。その分、piguよりもまだ少し見やすい気がしました。そしてFXC-35は更に見やすく感じます。
最低でもFXC-35ぐらいの視野角があれば良かったかなと…。端末の使用シーンは様々なので、液晶を見る角度はその時々で変わりますよね。液晶の色味もFXC-35の方が見やすいと思います。FXC-35ではあまり不満に感じないので、piguは少し残念という印象です。
端末購入の際、参考にしてみてください。
番外編 – 結局値段か?液晶の質か?
ここで番外編です。
液晶の差だけでなく、価格差も含めて考えると、どの端末を選ぶかは人それぞれです。
piguはgoo SimSellerでは4,980円で販売されており、SIMカードも付いてくるので実質3,000~4,000円となります(2015/02/15時点で売り切れ)。Amazonなどで購入すると9,601円(2015/02/15現在)となります。
それに対して、FXC-35はAmazonで10,778円、NTT-Xで約10,000円です。
さて皆さん、どっちを選びますか? 液晶の良さですか? 価格ですか?
例えば、液晶を殆ど使わない人(電話専用など)は、液晶品質なんて関係ないと思うかもしれません。そんな人にはpiguがピッタリです。4,980円で買えば、液晶が悪くても納得できる部分が多いと思います。ネットなど画面をずっと見続ける用途の人は、液晶にこだわった方がよいでしょう。このように、用途によってどちらを選ぶかは変わってきます。
個人的にはこの2択ならFXC-35ですが、goo SimSellerの4,980円はかなり破格値なので捨てがたいですよね。そして、4インチ台を含めるとなると、FXC-35と同価格帯でありながらIPS液晶であるFLEAZ F4sを選択します。
端末の液晶部分は、毎日使うものなので重要な要素です。そして価格も、端末選びに重要な要素となります。参考にしながら端末を検討してみてください。
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