シリーズものとして、数回にわたり、スペックや使いやすさなど色々なことを比較しています。今回はシリーズ第4回として、「ディスプレイ・最大/最小輝度・防水・防塵」を比較レビューしたいと思います。
シリーズの目次 ↓
- 第1回: 導入・対応バンド編
- 第2回: 動作感・ベンチマーク編
- 第3回: 内部ストレージ・SDカード・GPS・センサー・OTG編
- 第4回: ディスプレイ・最大/最小輝度・防水/防塵・おサイフケータイ編 (今回の記事)
- 第5回: UI・機能編
- 第6回: バッテリー・電池持ち・省エネ編
- 【予定】第7回: OS、アップデート、サポート編
- 【予定】第8回: 各端末のメリット・デメリットまとめ・価格/コスパ編
第1回の導入・対応バンド編から読んでいただけると内容が分かりやすいものとなっています。
今回、比較するSIMフリーは下記の通り ↓
- 富士通 arrows M02 (RM02)
- ASUS ZenFone 2 Laser
- Huawei P8 Lite
- Acer Liquid Z530
- ZTE Blade V6
- ZTE gooのスマホ g03 (Blade S6)
- ZTE gooのスマホ g02 (Blade S6 Lite)
- FREETEL SAMURAI 雅 (MIYABI)
- FREETEL Priori 3S LTE
- HTC Desire 626
- Motorola Moto G 3rd(3世代)
ディスプレイと色温度
まず今回は、ディスプレイについて比較してみましょう。
今回比較しているSIMフリーの解像度は、全て1280×720(HD)となり、スペック上ではどれも差がありません。
しかし、色温度の違いにより、ディスプレイの表示の色合いが異なってきます。また、色温度を変更できる機能をシステムに組み混んでいる機種と、組み込まれていない機種とに別れます。
これを踏まえた上で、ディスプレイの色合いと、色温度が変更できるかどうか確認してみたいと思います。
名称 | 色合い | 色温度の変更 |
---|---|---|
arrows M02(RM02) | 有機EL 液晶よりも各色が濃く表示される |
△ 基本的にできないが、色温度が自動で変更になる「インテリカラー」という機能がある。 |
ZenFone 2 Laser | デフォルトで少し黄色寄り(尿液晶ではない) | ◯ |
P8 Lite | デフォルトで少し黄(緑)色寄り | △ 色温度は、暖色〜寒色の間で調整する。調整幅はそれほどない。 |
Liquid Z530 | 赤色寄り | × |
Blade V6 | デフォルトで赤色寄り。コントラストが若干弱い印象も受ける。 | ◯ MediaTekのMiraVision搭載。 |
gooのスマホ g03(Blade S6) | ニュートラルに近いが、若干、青寄りな印象。 | ◯ ナチュラル、カラフルの2つから選択 |
gooのスマホ g02(Blade S6 Lite) | ニュートラルに近い、青(緑)寄りな印象。g03よりも若干、青(緑)が強い印象。 | ◯ ナチュラル、カラフルの2つから選択 |
SAMURAI 雅(MIYABI) | 赤色寄り | × |
FREETEL Priori 3S LTE | デフォルトでニュートラルに近いが、若干青寄りな印象。gooのスマホシリーズに続いて綺麗だと感じる。 | ◯ MediaTekのMiraVision搭載。 |
Desire 626 | 黄色寄り。比較端末の中で一番黄色寄りだった。 | × |
Motorola Moto G 3rd(3世代) | ほんの少し赤寄りな気がするが、ニュートラルに近い。 | × |
arrow M02は「有機EL」となります。その他のSIMフリーは「液晶」です。arrows M02だけは色の出方が異なり、コントラストの強く、液晶と比べて、若干、ベタッとした感じになります(有機ELの特徴です)。
個人的な色の好みはあると思いますが、尿液晶と呼ばれるような黄色が強すぎるものや、青すぎるといったような端末はありませんでした。なので、あまり深く考えずに、参考程度に傾向を知ってもらえたらと思います。
個人的に気に入っているのは、「gooのスマホ g03/g02」「Moto G 3rd」「arrows M02」です。どれも色合いの傾向としては異なります(青寄りや赤寄りなど)が、どれもニュートラルな白が出る色に近い印象です。
また、なるべく個人の好みに近づけるように、アプリで色温度が変更できるSIMフリーを選ぶのも一つの手ですね。ただ、システムに組み込まれている色温度変更アプリで、個人の好みに完璧に合わせられるものはほとんどありません(今までの経験上、個人的に完璧に好みになったのは、Xperiaだけ…)。なので、過度な期待はやめておきましょう。
写真をタップ・クリックで拡大可能。
左からBlade V6のMiraVision、P8Lite、ZenFone 2 Laser。P8Liteは変更できるにはできるが設定項目は少ない。
arrows M02/RM02の有機ELに関してですが、「落としていないのに割れた」「鞄の中で勝手に割れてた」などと、不安になるような声が多く報告されているようです。</p>
しかも、ディスプレイの表面が割れるのではなく、内部で割れるようです。これが気になる方は、arrows M02/RM02は避けた方がよいかもしれません。
arrows M02を格安スマホとして扱っているmineoでも取り上げられています。
私はarrows M02を3台所有していますが、今のところ割れたものはありません。arrows M02/RM02は、SIMフリーの中でもかなり売れていると思われる機種なので、一部の声がリコール扱いの不具合のように語られているのかもしれませんが、真相はちょっと分かりません。気になるようであれば、購入は控えた方がよいかも…。
最大輝度と最小輝度
キャリアで販売されているハイスペックのスマホと異なり、ミッドレンジのSIMフリーでは最大輝度が低く(暗く)設定されています。Xperia ZシリーズやArrowsシリーズのハイスペックから乗り換えてくると、暗く感じることでしょう。
そんな状況ですが、ミッドレンジで比較してみると、FREETEL 雅(MIYABI)が最大輝度時に一番明るい結果でした。
最大輝度比較。タップ・クリックで写真の拡大可能。
上段の左から順に、Priori 3S LTE、Z530、雅(MIYABI)、ZenFone 2 Laser、Desire 626。
下段の左から順に、Blade V6、g02、g03、Moto G 3rd、P8 Lite。
一番右が有機ELのarrows M02。
写真だと、かなり分かりづらいのですが、肉眼で確認してみると、雅が一番明るく、扱いやすいと思います。ただ、明るいといってもミッドレンジで比較したらの話であって、ハイスペックのXperiaと比べると暗いので、直射日光の下などでは画面が見えにくいぐらいの明るさです。
最大輝度で暗いと感じたのは、「gooのスマホ g02」と「P8 Lite」、「Blade V6」あたりでしょうか(写真で見ると、Priori 3S LTEも暗く感じますが、V6より明るく感じます)。まあ、どれも僅差ですが、もう少し明るいとよいかと思った次第です。
最小輝度の時に一番暗くなるのは、「Desire 626」と「P8 Lite」です。P8 Liteは最大輝度でも暗かったので比例して最小輝度でも暗いといったところでしょうか。
最小輝度比較。タップ・クリックで写真の拡大可能。
上段の左から順に、Priori 3S LTE、Z530、雅(MIYABI)、ZenFone 2 Laser、Desire 626。
下段の左から順に、Blade V6、g02、g03、Moto G 3rd、P8 Lite。
一番右が有機ELのarrows M02。
最小輝度の状態で明るいと感じたのは、「Priori 3S LTE」「ZenFone 2 Laser」「Moto G 3rd」「gooのスマホ g02」あたりでしょうか。暗い中で使っていると、少し明るすぎかなと思う方がいるレベル。例えば、就寝前に真っ暗の中で使いたい時など、ちょっと明るすぎて刺激的(目が覚めてしまいそう)な印象を受けました。
防水・防塵は?
ミッドレンジではまだまだ防水・防塵がある端末は少ない状況です。今回取り上げているSIMフリーの中で、防水・防塵に対応しているのは、「arrows M02」、防水だけに対応しているのは「Moto G 3rd」となります。
arrow M02は、防水(IPX5/IPX8)、防塵(IP6X)となっています。Moto G 3rdは、防水(IPX7)となっています。
各防水の違いは下記の通り。
- IPX5 → 内径6.3mmの注水ノズルを使用し、約3mの距離から12.5L/分の水を最低3分間注水する条件であらゆる方向から噴流を当てても、通信機器としての機能する。
- IPX8 → 常温で水道水の水深1.5mのところに携帯電話を沈め、約30分間放置後に取り出したときに通信機器としての機能する。
- IPX7 → 常温で水道水、かつ静水の水深1mのところに携帯電話を沈め、約30分間放置後に取り出したときに通信機器としての機能する。
見ての通り、防水としてはarrows M02の方がより優れているといえます。
まあ、どちらかが優れているというよりは、ミッドレンジクラスで防水がある事のほうが珍しい現状なので、この2機種は非常に貴重な存在ではないでしょうか。あまり防水とかを気にしない方でも、ないよりはあったほうがよいですよね!雨の中でも使えるのは、非常に利便性が良いと思います。
おサイフケータイは?
ミッドレンジ、2~3万円でおサイフケータイに対応しているのは、「arrows M02/RM02」だけです。若干、端末つ価格が高くなれば、シャープのAQUOS SH-M02/RM02も対応しています。
ただarrows M02では、残念なことにセブン-イレブンやイトーヨーカドーで使える「nanaco」に対応していません。nanaco目的の方は留意してください。
arrows M02ではnanacoをインストールしようとすると、「お使いの端末ではこのバージョンに対応していません。」と出てインストールができません。
最近、ドコモの電子マネー「ID」が、SIMフリーでも使えるようになりました。これによって、キャリア端末と比べても遜色ないぐらい電子マネーが使えるようになってきています。あとはnanacoが対応してくれること願うばかりです。
それでもおサイフケータイに対応しているのは、arrows M02/RM02だけなので、一歩リードしたSIMフリースマホと考えて良いのではないでしょうか。
以上、参考にしてみてください。
この記事は、シリーズとして展開していきます。
次回は、「UI、(ソフトフェア)機能編」です。
シリーズの目次 ↓
- 第1回: 導入・対応バンド編
- 第2回: 動作感・ベンチマーク編
- 第3回: 内部ストレージ・SDカード・GPS・センサー・OTG編
- 第4回: ディスプレイ・最大/最小輝度・防水/防塵・おサイフケータイ編 (今回の記事)
- 第5回: UI・機能編
- 第6回: バッテリー・電池持ち・省エネ編
- 【予定】第7回: OS、アップデート、サポート編
- 【予定】第8回: 各端末のメリット・デメリットまとめ・価格/コスパ編
コメント
コメント一覧 (3件)
色温度についてなのですが、g02は設定のスクリーン効果からカラフルとナチュラルの2色だけ変更ができます。
私がg02しか持っていないのでわかりませんが、g03にも同じ設定があるかもしれません。
ご指摘ありがとうございます!
完全に私の見落としです…。
設定でありますね…
記事を修正しました!