シリーズものとして、数回に分けてスペックや使いやすさなど色々なことを比較しています。今回はシリーズ第2回として、「動作感やベンチマーク」を比較レビューしたいと思います。
シリーズの目次 ↓
- 第1回: 導入・対応バンド編
- 第2回: 動作感・ベンチマーク編 (今回の記事)
- 第3回: 内部ストレージ・SDカード・GPS・センサー・OTG編
- 第4回: ディスプレイ・最大/最小輝度・防水/防塵・おサイフケータイ編
- 第5回: UI・機能編
- 第6回: バッテリー・電池持ち・省エネ編
- 【予定】第7回: OS、アップデート、サポート編
- 【予定】第8回: 各端末のメリット・デメリットまとめ・価格/コスパ編
第1回の導入・対応バンド編から読んでいただけると内容が分かりやすいものとなっています。
今回、比較するSIMフリーは下記の通り ↓
- 富士通 arrows M02 (RM02)
- ASUS ZenFone 2 Laser
- Huawei P8 Lite
- Acer Liquid Z530
- ZTE Blade V6
- ZTE gooのスマホ g03 (Blade S6)
- ZTE gooのスマホ g02 (Blade S6 Lite)
- FREETEL SAMURAI 雅 (MIYABI)
- FREETEL Priori 3S LTE
- HTC Desire 626
- Motorola Moto G 3rd(3世代)
スマホで一番重要なのが、“動作が快適にできるかどうか”ではないでしょうか。
ここ最近のミッドレンジのスマホは基本的な動作に関しては、どれも不満なく使えるレベルとなっています。
ただ、メーカーによって最適化されているものとそうでないもの、スペックなどによって、動作感やサクサク度合いは異なってきます。今回は、動作感(実際に使っていて快適に動くのか)を中心に比較してみました。
チップセット(CPU/GPU)とタッチパネルについて
まずは、各SIMフリースマホのチップセット(SoC)とタッチパネルの最大タッチ数など、体感で感じる動作感に関わるような部分のスペックを確認してみましょう。
名称 | SoC | 最大タッチ数 |
---|---|---|
arrows M02(RM02) | Snapdragon 410 | 10点 |
ZenFone 2 Laser | Snapdragon 410 | 10点 |
P8 Lite | Kirin 620 | 10点 |
Liquid Z530 | MT6735 | 5点 |
Blade V6 | MT6735 | 10点 |
gooのスマホ g03 | Snapdragon 615 | 10点 |
gooのスマホ g02 | Snapdragon 410 | 10点 |
SAMURAI 雅(MIYABI) | MT6735 | 5点 |
FREETEL Priori 3S LTE | MT6735P | 5点 |
Desire 626 | Snapdragon 410 | 10点 |
Motorola Moto G 3rd(3世代) | Snapdragon 410 (クロックアップ ※1) | 10点 |
現状、ミッドレンジSIMフリースマホでのチップセットは、クアルコムのSnapdragon 410、メディアテック(MediaTek)のMT6735、ハイシリコン(HiSilicon)のKirin 620を採用しているところが多いです。
gooのスマホ g03は、Snapdragon 615となっており、ミッドレンジのスマホでは400番系が採用が多い中、600番系とより性能がよいものとなっています。
では、次に各チップセットを確認してみましょう。
チップセット | CPU | GPU |
---|---|---|
Qualcomm Snapdragon 410 |
ARM Cortex-A53 1.21GHz x4 | Qualcomm Adreno 306 400MHz |
Qualcomm Snapdragon 615 |
ARM Cortex-A53 1.11GHz x4 ARM Cortex-A53 1.50GHz x4 |
Qualcomm Adreno 450 550MHz |
MediaTek MT6735 |
ARM Cortex-A53 1.30GHz x4 | ARM Mali-T720 |
MediaTek MT6735P |
ARM Cortex-A53 988GHz x4 | ARM Mali-T720 |
HiSilicon Kirin 620 |
ARM Cortex-A53 1.2GHz x8 | ARM Mali-450MP |
※1 Moto G 3rdは、Snapdragon 410ですが、CPU駆動は1.4GHzとクロックアップしています。
CPUのクロック数が1.2GH前後が平均で、MT6735Pだけが若干低く998MHzとなっています。
あとは、4コア/8コアの違いがありますが、8コアのSnadpragon 615は、big.LITTLEを採用しています。クロック数が低いほど省エネとなるので、クロック数が高い4コアと低い4コアを切り替えて使うこと想定しているようです(ただ、gnapdragon 615採用のg03の駆動コアを監視していると、8コア全て動いていることが多かったので、なんとも言えないところも…)。
GPUに関してですが、Snapdragon 410と615では、615の方がワンランク上です。この辺はベンチマークできっちりと差がでてきます。
ミッドレンジスマホのAnTuTu Benchmarkは?
一つの指標として、ベンチマークアプリとして有名な「AnTuTu Benchmark」のスコアを載せておきます。ミッドレンジといえど、AnTuTuスコアには若干の差があります。
AnTuTu Benchmark 6.1.4で計測した結果が下記の通り。
↑ 左からZenFone 2 Laser、gooのスマホ g02(Blade S6 Lite)、gooのスマホg03(Blade S6)
↑ 左からDesire 626、arrows M02(RM02)、 Moto G 3rd
↑ 左からLiquid Z530、雅(MIYABI)、Priroi 3S LTE
↑ 左からBlade V6、P8 Lite
まず、各スマホの総スコアは、SoCによって似たような数値なのが分かりますね。では、SoC別にスコアの平均を確認してみましょう。
SoC | AnTuTu スコア | 端末 |
---|---|---|
Snapdragon 410 | 約24000 | ZenFone 2 Laser gooのスマホ g02(Blade S6 Lite) arrows M02(RM02) Desire 626 |
Snapdragon 410 CPUクロック:1.4GHz |
約31000 | Moto G 3rd |
Snapdragon 615 | 約31000 | gooのスマホ g03(Blade S6) |
MT6735 | 約31000 | Liquid Z530 Blade V6 SAMURAI 雅(MIYABI) |
MT6735P | 約24000 | Priori 3S LTE |
kirin 620 | 約28000 | P8 Lite(P8lite) |
スコアが高いのは、Snapdragon 615とMT6735ですね(Moto G 3rdのSnapdragon 410も)。
Snapdragon 615と410(以下、S410/S615と表記)を比較した際に、差が大きかったのは、3Dのスコア。S410では約400ですが、S615では約2000とかなりスコア差があります。3Dゲームなどをする方は、S615を採用しているgooのスマホg03が良さ気です。ただ、それ以外のスコアはほぼ変わりありません。
また、MT6735も3Dスコアが非常に良い結果となっています。こちらも約2000とS615相当のスコア結果となっています。ただ、S615と同様に、3D以外のスコアはS410と変わりがありません。
MT6735P(Priori 3S LTE)は、3Dのスコアは良いですが、その他のUXやCPUのスコアはあまり優れません。ミッドレンジの中では一番低い結果となっています。
まとめてみると、ミッドレンジクラスのスマホでのSoCの差は、3DゲームなどのGPUの差。S410を採用しているスマホと、それ以外のスマホでの差は3D性能差が大きいが、その他、演算処理などはほとんど変わらない結果と言えます。
動作感の比較と評価
今度は、前述したSoCや最大タッチ数に加え、タッチ感度や各メーカーの最適化なども考慮した上で2、実際に使ってみての、体感での快適さ、サクサク度合いがどうなのかを確認してみたいと思います。
ベンチマーク結果で見たように、SoCの違いによる大きな差は、3Dぐらいかと思います。今回の体感は、3Dなどのゲームを除いた(2D表示時の)、Webサイトを見たり、メールをしたり、スクロールやフリックなどの、一般的な動作で感じる体感となります。
5段階評価で採点しています。
※ これは、個人的に感じた体感の快適さです。個人差はあると思われますので、参考程度としてください。
名称 | 動作感 |
---|---|
Arrows M02(RM02) | 評価:3 たまにフリーズすることがあった。 |
ZenFone 2 Laser | 評価:4.5 発売当初はそれなりに快適だったが、アップデート後に更に快適に(動作が軽くなった気が)。 |
P8 Lite | 評価:3 快適な動作感ですが、スクロール操作時だけ若干違和感がある。指の動きについてきていない感じを受けることがあり、ちょっと鈍いな…と感じることがあります。(こういうチューニングなのだと思います。ただ、所有していうるP8 Liteよりも上位機種であるhonor6 PlusやMate Sでは非常に快適です。) |
Liquid Z530 | 評価:5 ミッドレンジのスマホの中では、一番快適!動作感を求めるなら、これ一択! |
Blade V6 | 評価:4 |
gooのスマホ g03 | 評価:4 特にgooのスマホ g02との差を感じない…。3Dゲームなどをした時などにしか差はないと思われます。 |
gooのスマホ g02 | 評価:4 |
SAMURAI 雅(MIYABI) | 評価:2.5 最大タッチ数が5点だからか、他のMT6537搭載端末よりもスライド動作などの快適さが劣ります。個人的には、慣性スクロールがあまりよろしくない印象(ガクガクになるときも)。 |
FREETEL Priori 3S LTE | 評価:2 SoCが廉価版、最大タッチ数が5点だからか、他のミッドレンジよりも全体的に遅く感じることが多々ありました。基本的にライトユーザーであれば問題なしレベル。 |
Desire 626 | 評価:4 星5つでもよいぐらい快適に動く時もあります。 |
Motorola Moto G 3rd(3世代) | 評価:4.5 非常に快適です。ただ、横スクロール時(フリック時)に、たまにガタつくような動きになることがありました。(たまにレベルなので、ほぼ気にならない。) |
基本的にどのミッドレンジSIMフリーも基本的な動作であれば、問題なく使えるでしょう。最低限レベルはすべての端末でクリアしていると思います。ただ、快適さはそれぞれ異なる結果になりました。
Priori 3S LTEはミッドレンジの中で比較すると、使っていて動作が鈍いと感じる場面がたまにあります。これは、SoCが廉価版(ベンチマーク結果も3D以外が悪い)だからでしょうか?ライトユーザーならばまず問題ないですが、よくスマホを使う(アプリを沢山立ち上げたままにしたり、バックグランドで動作させていたりなど)方は若干ストレスを感じるかも。個人的にはちょっと遅い時があるな…と思いながらも、まあ、使えるレベルと思っています。正直、MT6735Pではなく、MT6735だったらよかったというのが率直な意見です。
SAMURAI 雅(MIYABI)は、タッチ感度・タッチ精度が悪いのか、最適化が上手くないのか分かりませんが、他のスマホと比べてスクロールやスライド(フリック)などに若干違和感(鈍い印象)を感じます。他のスマホと比較しないと分からないレベルですが、スクロールしている時にタップ動作(感度が良すぎるのか?)になってしまったりすることも多々ありました。全体的にアプリ起動中などは満足できるレベルで動いてくれますが、タッチ系が他の機種より劣る気がします。
P8 Liteは、全体的にFREETEL 雅(MIYABI)よりは快適なものの、(縦)スクロールでの違和感が多少あります。指の動きに対して、スクロール量が若干少ないためかなと。これは個人的な感覚値レベルであり、全ての人が違和感を感じるわけではないと思います。
arrows M02は、基本的に動作感に不満がないですが、たまにフリーズ(数秒間タッチを受付ない)する時がありました。処理が追いついていないからでしょうか?数秒後にはタッチ操作を受け付けるようになります。この現象が起こったのは、発売当初から数ヶ月使ってほんとに数回レベル(3〜4回ぐらい)なので、気にする必要はないもしれません。が、この理由で、評価を3にしています(これを抜かして評価するならば、3.5といったところでしょうか)。
Liquid Z530は、動作の快適さはミッドレンジの中でNo.1。サクサク感や快適さを優先する方ならば、Z530を購入することをオススメします。タッチ感度などもよく最適化されているのか非常に快適です。最大5点タッチですが、これは驚きです!(笑)個人的には、動作以外はダメでも、この快適さだけを目的として購入してもよいと思える1台に仕上がっていると思います。
その他、ZenFone 2 Laser、Moto G 3rdも、快適さを優先する方にはオススメです。
まとめ
全体的に5インチの格安なスマホは、どれも不満を感じることは少ないと思います。その中で、より快適さ・サクサク感を求めるならば、Liquid Z530がオススメです。Z530の快適さは、実際に使ってみると、かなり感心してしまうほどだと思います。
ZenFone 2 Laserでも、使ってみると快適で、値段が安いミッドレンジでも十分に使えると思うレベルです。もちろん、ハイスペック端末のヌルサク感と比べれば、やはりミッドレンジクラスの快適さとなってしまいますが、ここ最近のミッドレンジでもあなどれないですよ!(笑)
では、まとめてみましょう!
ミッドレンジ・5インチのスマホで、体感での快適さはを求めるユーザーにオススメなのは、
- Liquid Z530 (特にオススメ)
- ZenFone 2 Laser
- Moto G 3rd
といったところです。
現状、どのSIMフリーもイライラするような不快レベルのものはなく(Priori 3S LTEは多少イライラすると感じる人はいるかも)、「ミッドレンジ端末もこんなに快適なのか!」と思う人が多いはず。その中でも特に快適なものが上記の3機種となります!
是非、参考にしてみてください。
この記事は、シリーズとして展開していきます。
次回は、「ストレージ・SDカード・GPS・センサー・OTG編」です。
シリーズの目次 ↓
- 第1回: 導入・対応バンド編
- 第2回: 動作感・ベンチマーク編 (今回の記事)
- 第3回: 内部ストレージ・SDカード・GPS・センサー・OTG編
- 第4回: ディスプレイ・最大/最小輝度・防水/防塵・おサイフケータイ編
- 第5回: UI・機能編
- 第6回: バッテリー・電池持ち・省エネ編
- 【予定】第7回: OS、アップデート、サポート編
- 【予定】第8回: 各端末のメリット・デメリットまとめ・価格/コスパ編
コメント
コメント一覧 (4件)
こんにちは。
Z530は10点タッチじゃなくて5点タッチみたいですよ。
カタログスペックだと5点になっていますが間違っていたらすみません。
とおりすがりさん
5点タッチで記載ミスでした。非常に助かりました!
ご指摘ありがとうございます!(修正しておきました)
「ストレージ・SDカード・GPS・センサー・OTG編」マダカナァ・・・(・ω・` )っ/凵⌒☆チン
書きましたよー!